神山湧水珈琲 AGF

世界文化遺産 上賀茂神社 式年遷宮記念文化事業 supported by AGF

行事の報告 Vol.4 神山湧水珈琲(冷製)・神山湧水のめぐみ

真夏の上賀茂神社で冷製になった神山湧水珈琲で涼をとる―。平成27年7月25日・26日、5月に続き第二回目となる「世界文化遺産 上賀茂神社 式年遷宮記念文化事業 Supported by AGF Blendy 神山湧水珈琲」、そして「上賀茂神社境内ガイドツアー “神山湧水のめぐみ”」が、京都市の上賀茂神社にて開催されました。

▲野点珈琲ブースのすぐ隣を流れる「ならの小川」に設置された川床。

木陰のお庭で神山湧水珈琲(冷製)を楽しみ、「ならの小川」の川床でくつろげる、涼しげな空間

5月の8・9日に続いての開催となった「神山湧水(こうやまゆうすい)珈琲」。第二回目は7月の暑い最中ということもあり、前回とは趣を変え、参道沿いから少し奥に入った木立の中での開催となりました。
今回は上賀茂神社の神山湧水で淹れた冷製珈琲が無料で振舞われ、野点(のだて)珈琲ブースは涼を求めて訪れた、多くの参拝者や観光客の方々で賑わいました。
真夏の太陽を避けるように木々の合間に置かれた縁台やテーブルでは、緑を揺らす涼しい風を感じることができたほか、境内を流れる「ならの小川」に川床(かわどこ)を設置。川のせせらぎとセミの声、そして神山湧水珈琲(冷製)を楽しみながら、涼しい川床でゆったりとくつろぐ方々の姿が、とても印象的な催し物となりました。

上賀茂神社境内ガイドツアー “神山湧水のめぐみ”

式年遷宮を記念して、神社と縁のある専門家が境内をガイドして散策する2種類のツアーを企画。AGF Lounge会員80名をご招待し、7月25・26日の2日間で4回のツアーを実施しました。
各ツアーでは、銘木師(めいぼくし)の中川 典子(なかがわ のりこ)氏と作庭家(さくていか)の小川 勝章(おがわ かつあき)氏、上賀茂神社の権禰宜(ごんねぎ)である、乾 光孝(いぬい みつたか)氏、鳥居 昭典(とりい あきのり)氏と松井 祐二(まつい ゆうじ)氏にご案内役を務めていただき、境内の豊かな水や自然を感じながら周遊し、普段は立入ることのできない本殿と権殿(ごんでん)へも訪れました。

▲重要文化財となっている舞殿について語る中川氏。背後の木を納材した亡き父の思いが詰まっている特別な橋でもある。

上賀茂神社の木にまつわる文化を知る、「神山湧水のめぐみ 銘木師が紐解く上賀茂神社の水のつながり」

中川氏が木を運ぶときに歌う山唄(やまうた)を参加者と歌い、ツアーはスタートしました。神社の象徴である立砂(たてすな)、続いて水まつりが行われる舞殿(まいどの)を見学。舞殿は川の上に建っているので、橋殿とも呼ばれているそうです。

▲写真上にあるのが、全長8mの一枚板の絵馬「孝明天皇賀茂行幸(こうめいてんのうかもぎょうこう)」。宝物を展示する高倉殿(たかくらでん)で見ることができる。

境内を巡りながら、中川氏が明かした他では知りえない、木にまつわるエピソードの数々

続いて一行は、本殿と式年遷宮の際に一年だけ神様が住まう権殿をお参り。本殿と権殿の傍にある木の神様を祀る小さな神社、杉尾神社のお話の中では、木が建築物となってありのままをさらすことが侘(わび)、立枯れて風情が出ていく姿が寂(さび)だと考える、数寄屋棟梁 故・木下孝一氏からの教えが紹介されました。また、お参りの後には全長8mに及ぶ一枚板の日本一長い絵馬も見学。式年遷宮に合わせて絵馬に使われる一枚板を納材する仕事を受けた中川氏が、全国を探し回っても見つからず諦めかけたとき、吉野杉の一枚板が見つかり、神様のご加護を感じたというエピソードを披露。そして最後には神山湧水珈琲(冷製)を皆様で楽しみ、約2時間のツアーは幕を閉じました。

▲参籠殿にて自然と人工について話す小川氏。作庭家の視点から、お庭は人と自然をつなげる役割だと語る。

自然全体に思いを馳せる「神山湧水のめぐみ 作庭家が紐解く上賀茂神社の水のつながり」

はじめに小川氏が境内の参籠殿(さんろうでん)にて自然に関するお話からスタート。世界各国の自然と庭の関係を見ながら、「庭は自然の美しさに憧れる人が作る人工のもので、人と自然をつなげる役割である」と説明。さらに、木や水、石についてのお話を聞いた後、参籠殿を出て神山の姿を望み、続いて神山を模した立砂を見学しました。

▲岩上(がんじょう)の前で話す小川氏。道が重なる場所には気が集まり、ここ(岩上)へ来ると先へ向かう新たな気持ちが湧いてくるという。

境内の川や道の流れと、お庭作りを重ね合わせながら自然の気配を肌で感じとる散策

境内を流れる二つの川が合わさる場所で小川氏は、「お庭作りはどのように水と触れ合うかを考え、水に出会いに行くように作る」、また、神山と共に賀茂信仰の原点であり道と道を結ぶ地点「岩上(がんじょう)」では、「お庭でも交差点のようなところを作る。道が重なる場所には気が集まる」と説明。神社の川や道の流れとお庭作りを重ね合わせ、人と自然のつながりについて語られました。そして、本殿と権殿をお参りした後は、野点珈琲ブースに戻り、神山湧水珈琲(冷製)を楽しみひと休み。その後、境内を流れる「ならの小川」に沿った道を散策し、場所によって変わる水や木、石の気配を皆様に感じていただきながら、ツアー終了となりました。

  • 神社仏閣巡りが好きなんですけど、社寺の建築に関わる方(中川氏)の話を直接聞けて勉強になりました。国宝である本殿を拝見できたことも良かったのですが、自然に逆らわず神山の自然と一体化している神社という日本らしい考え方が面白いと思いました。神山湧水珈琲(冷製)は普段飲んでいるコーヒーとは違い、水が優しい感じでコーヒーも主張しすぎなくて飲みやすかったです。長い歴史に育まれた水だなと思いました。

  • 子どものころから来て知っていた上賀茂神社だったのでツアーに応募したのですが、色々と知ることができてありがたかったです。初めて本殿を参拝したので驚きがありましたね。本殿・権殿が並んであるというのも新鮮でした。あと、水がこんなに有名とは知らなかった。これからも遊びに来るついでに水をいただこうと思います。コーヒーは色々飲みますが、神山湧水珈琲(冷製)はとても柔らかいですね。

  • 上賀茂神社は世界遺産ということで、一度行ってみたいと思い今回のツアーに参加しました。普段は入れないところにも入ることができて楽しかったです。一番印象に残っているのは侘と寂の話で、奥深いなと感じましたし、日本人の昔からの考え方が今にもつながってるんだなと思いました。水がいいのか神山湧水珈琲(冷製)はブラックでもとても飲みやすかったです。

  • これまで初詣などで下鴨神社までは行ったことがあったのですが、今回このツアーで初めて上賀茂神社へ来ました。上賀茂神社はこんなにも山の近くにある神社なんだなと実感しました。普通に参拝するだけなら分からなかったかもしれないけど、小川さんから神山や立砂の話を聞けて非常に面白かったです。

  • 風がふわっと吹いて緑の香りもコーヒーの香りも感じられて、縁台や器も素敵で癒されました。普段ミルクとシロップを入れて飲むのですが、ストレートで飲んでも酸味を強く感じなくて美味しいです。コーヒーが好きでコーヒーのことを調べたことがあるのですが、一杯ずつドリップするのは日本独特みたいだったので、おもてなしの意味も込めて今後は楽しんでみたいと思いました。

  • 森の中のカフェのようで、くつろげますね。境内にコーヒーテーブルがあるのも新鮮に思います。ブラックは飲めないのですが、この神山湧水珈琲(冷製)はそのままで飲めました。後味もスッキリ爽やか。今まで飲んでたコーヒーは何だったのって感じるくらいです。コーヒーカップではなくこういう湯呑みのようなカップで飲むのが、日本らしいイメージですね。

  • コーヒーは朝、子どもが出かけたあとにインスタントを飲みます。神山湧水珈琲(冷製)はさっぱりしてるのにコクも感じる。よくここに遊びに来るけど、いつもはない川床というのは非日常な感じ。こうして川床の畳の上で飲むコーヒーは気持ち的にも良いですね。